VOL.2  2006年4月17日(月)発行


旅する絵本カーニバル2006 in アクロス福岡 特集

  NPO法人子ども文化コミュニティと九州大学ユーザーサイエンス機構子どもプロジェクト、西日本新聞社、C,E,ワークスが主催、(財)アクロス福岡が共催の『旅する絵本カーニバルinアクロス福岡』が2006年3月24日(金)〜4月2日(日)アクロス福岡2F交流ギャラリーで行われました。
  今回の絵本カーニバルは「まるで旅するように絵本に出会う」をコンセプトに選りすぐった1500冊の絵本の展示と豪華で楽しいゲストを招いての特別企画や『絵本を楽しむ・絵本と出会うワークショップ」など絵本をめぐるさまざまな体験を通し、親子のコミュニケーションが深まることを目指して開催されました。



「絵本カーニバル2006 inアクロス」

  3月24日アクロス福岡で絵本カーニバルが行われました。
  たくさんの絵本がありました。 絵本カーニバルでは、絵本の展示のほかに、絵本にちなんだワークショップが行われました。
絵本型のクッキーを作ったり、日本人で初めてリンドグレーン賞を受賞した荒井良二さんのワークショップ、折り紙、王冠を作るワークショップが行われていました。
 会場には絵本がおしゃれに展示され、座りやすそうなイスや遊びたくなるようなイス、木馬や木のおもちゃも並べられていました。
 お母さんに絵本を読んでもらう人やゆらゆらゆれるイスに座りながら読む人など、みんなおもいおもいの体勢で、絵本を読んでいました。
                                            (文  森崎 友香 小学6年)







絵本を使ったワークショップ
「荒井良二さんの絵本から飛び出したびょよ〜んな○○!」

「大橋に森をつくる」 
会場:九州大学USIサテライト ルネット1F(福岡市南区大橋)

  一月中旬から三月上旬にかけて6回シリーズで荒井良二さんの絵本を使ったワークショップが行われました。
 音を作るワークショップや枕カバーに夢の絵を描くワークショップ、中でも一番印象に残っているのは「森の絵本」を読んでもらって自分の行きたいと思う森の絵を模造紙いっぱいに描き、大きな大きな森を作るワークショップです。
 小学校一年生から大人まで、描く絵は様々。みんなとても大胆で、楽しそうでした。描き上がったみんなの森の絵をコラージュ(切ったり貼ったり)してひとつの大きな森を作りました。
最初は「変な絵になったらどうしよう」と心配しましたが、全員で「ここに空が欲しい」とか、「道を書こう」とか工夫して、出来上がってみると本当の大きな森みたいになったので感動しました。
 最後にその大きな森を背景に荒井良二さんの絵本「そのつもり」をつかって、自分たちの創作人形劇「そのつもり」を演じました。
 絵本を読んだり聞いたりして、そこからいろいろなことを想像し、創作したり、表現するのはとても楽しいと思いました                         (文 岸田 優治 中学3年)








「絵本作家 荒井良二さんとワークショップ 」

 荒井さんは始めに、今日は「墨」を使うこと、「習字をするわけではない」ということを説明しました。そして「お手本」を書き始め、私たちはそれが「作品」になるまで見ていました。
1年生は早く書きたいと言い続けていましたが、荒井さんは「作戦だよ」と言っただけで「お手本」に集中し続けました。
 待ちくたびれたころ「筆」を作ることになりました。
 この筆というのは、百四十センチくらいの竹ざおに、各自おもいおもいに刷毛、スポンジ、歯ブラシ、麻のひも等を貼り付けます。麻のひもに歯ブラシをぶら下げたものや、納豆のパックをつけたものなど、ユニークなもの続出で、 荒井さんは「それだけで作品になる」と笑っていました。
 いよいよ創作開始です。 8メートルもの巨大な紙が用意され、3グループに分かれて紙を取り囲みました。
 始めは荒井さんの言ったイメージに沿って、次は「森」のイメージで、墨を使ってあそびました。私には絵を描いたという感覚は無く、ただ思ったように墨を塗ったという感じでした。 みんな本当に思い思いに描いていて、手形足形をつける人、細い筆で花や木を書く人、一番激しい人で、8メートルの紙の上を全力ダッシュで1本線を引きみんなにびっくりされていました。
 私は朱で花を描きました。朱の花に墨でマーブルをつける、これがなかなかおもしろく、最後まで熱中していました。 私は普段絵を描けといわれてもなかなか描けないタイプですが墨だと不思議に筆が進んでしまい3時間のワークショップがとても短いものに感じられたほどでした。
 荒井さんも不思議に思ってこのワークショップを企画したそうです。荒井さんは「これからも墨の不思議について考えていきたい」と話していました。
 私もこのワークショップに参加して、同じ事を考えていたのでびっくりしました。
 また荒井さんに会う機会があれば、墨の不思議についてお話したいと思いました。
                                              (文 末松 由都 中学2年) 








「荒井良二さんにインタビュー」

  僕たちは3月28日に行われた「荒井良二さんとワークショップ」に参加した後、荒井さんにインタビューをしました。
 まず今日のワークショップについて聞きました。
テーマは、以前から考えをあたためていた「墨」。今回のように大きなワークショップ(参加者20名8メートルの紙を3枚使用)は初めてだったそうです。
 なぜ墨を使ったのかというと、絵の具だとなかなか絵が書き出せない人がいるけれど、墨のついた筆を持つと頭で考えるより先に手が「描くということを覚えていて」動いてしまう。筆で書くと早い、それはなぜなんだろうと考える体験をしてほしかったからだそうです。
 実際に参加者みんなが、大きな紙にすぐに筆を下ろしていました。 荒井さんは絵本作家になろうと思ったことは一度も無いそうで、実は絵本のストーリーも作ろうとしていないのだそうです。ただ絵本のことはいつも考えていると話していました。
 荒井さんは、小学校のころはことばで表現できない子どもだったけれど、絵を描くことが一番得意だったので、絵で描くと、しゃべらなくてもみんなが理解してくれたのでとても助かったと話してくださいました。
 荒井さんは34歳で始めて絵本を作ったそうです。それまでは(今でも)イラストレーターの仕事をやっていて、とても忙しくて病気になってしまったのだそうです。
絵本を描くとすごく楽になって、病気もどんどんよくなっていき、絵を描くことによって、どんどん元の自分に戻っていったのだそうです。そのことが今まで絵を描いてきて一番心に残っている事だそうです。
 自分の作品で一番気に入っているものはと質問したところ、荒井さんは自分の作品をどれも読み返さないのだそうで、長い間考えていましたが、しいてあげれば「はじまりはじまり」という本だと答えてくれました。
良いとか悪いとかいうのでなく、病気のときにだんだん元気になっていく中で、自分を励ますために作った絵本が「はじまりはじまり」なので、一番印象に残っているのだそうです。
 最後に読者に向けてメッセージをお願いしました。
「絵本は子どものものとか、幼稚なものとか、考えないでほしい。子どもも大人も楽しめるから。」ということでした。
  荒井さんはとても明るくて優しい人でした。              (文  山口 麗 中学1年)




編集後記
絵本の力はすごいと思いました。絵本は素晴らしいと思います。 森崎 友香(小学6年)
荒井さんの言葉を記事に書くのが難しかったけれど、うまくかけてよかったです。 山口 麗(中学1年)
荒井さんは気さくで、おもしろい方でした。とても取材しやすかったです。 末松 由都(中学2年)
文を書くのが苦手なので、決められた字数で記事を書くのが大変だったけれど、良い経験になりました。 
                                                                                                                岸田 優治(中学3年) 


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