コラム

大人もいっしょに

 子どもの日常こそ、四季折々の季節を感じられるような彩りのある暮らしや、心と心が通い合うあたたかいふれあいをたっぷりとすること、そして、子どもも大人も一緒になって遊ぶ、表現する、笑う、泣く、怒る、喜ぶ。単純なことですが、そうしたことが、私は大切なことだと考えています。
子どもたちにとって魅力的で、参加したくなるような活動や企画、施設をつくりだしていくためには、子どもたちの気づきや感性に寄り添いながら、子どもたちの声に耳を傾け、子どもたちと共に見つけて、つくりだしていくことです。
 「一緒に体験! 広がる感動!」まさに、これにつきると思います。理屈抜きに、まずは子どもとともに体験してみること。そこからが大人にとっても気づきと発見の旅です。子どもとともにあることで、子どもにとって何がいいことなのかは、子どもたちから気づかされます。そうした体験や感動を共有できる子どもにとっての一番身近な大人が親です。また、親同士の仲間が増えることで子どもの世界はうんと広がっていきます。
 子どもは多様な人と関わり合うことで育っていきます。親にとっても家庭とは違ったわが子が見えてきます。親同士が知り合いだと、子どもも安心して仲良くなることが多いですし、心強く感じるものです。人がつどい、語り、自分達でやりたい活動を一緒につくりだしていく仲間がいることは、子育てと子どもの成長にとってかけがえのない拠りどころになるところです。例えば、お友達同士集まって季節をテーマにしたパーティをしてみてはいかがでしょう。季節の野菜を洗って、ちぎってサラダパーティ、おにぎりパーティ、たこ焼きパーティーでもいいでしょう。おおぜいで、わいわい言いながら遊んだり、何かをつくったり、食べたりする経験は、子どもの心の中に楽しい思い出として残り、仲間意識を育て、仲間をつくる方法を親の姿を通して学んでいきます。

 先日ある講演会で北欧のフィンランドの教育が目指していることは、「子どもたちが協力して創造的に何かをつくる、問題解決をしていくというような力をつけること」と聞きましたが、そうした力はこうした日常の身近な生活の中での体験を積み重ね育んでいくことでついていくのだと思います。

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